兵庫県姫路市の危機管理室が、震災などの対策を紹介した動画を、公開していました。
姫路市に大きな影響を及ぼすとされる震災は、山崎断層や、南海トラフなど、いくつかあるそうです。
姫路の歴史で過去にあった大きな揺れとは、どんな震災があるのか、大きな事例の歴史について調べてみました。
姫路市に影響を及ぼすとされる震災
姫路市危機管理室が公開した動画によると、姫路市に影響を及ぼすとされる震災は、以下の震源だそうです。
山崎断層については、最大マグニチュード8クラスの巨大な揺れが想定され、今後30年以内に、約1%の確率で発生すると公表されています。
姫路市には、最大震度7の揺れがあり、建物の倒壊など、大きな被害が想定されています。
また、南海トラフについては、最大マグニチュード9クラスの巨大な揺れが想定され、今後30年以内の発生確率は70~80%とあります。
姫路市には、最大震度6強の揺れがあり、津波も含む大きな被害が想定されています。
山崎断層の場所

山崎(やまさき)断層帯は、岡山県東部から兵庫県南東部にかけて分布する活断層帯です。
山崎断層帯は、那岐山(なぎせん)断層帯、山崎断層帯主部、草谷断層の3つの起震断層に区分されます。
政府 地震調査研究推進本部HPより
山崎断層は、いくつかの複数の断層によって、構成されているため、正確には山崎断層帯といいます。
姫路・播磨地域に大きな影響を及ぼすとされる活断層帯です。
スポンサーリンク
姫路の歴史であった過去の大震災
明治時代の姫路ガイド「現代語訳 沿革考証 姫路名勝誌」のなかに、姫路であった大震災について、このような記述がありました。
後花園天皇の御世の永享四(1432)年八月二日の大地震、および同年九月三日の市川筋大洪水は、昔から今日に至るまでに稀に見る大惨事であったとのことだが、この時、国分寺をはじめ増位山・書写山などの諸堂塔はほとんど倒壊した (抜粋)
『現代語訳 沿革考証 姫路名勝誌』P79より抜粋
現在の姫路城ができる約180年前、室町時代に、諸堂塔(仏堂や仏塔など)が倒れるような、大きな震災が、姫路にあったと記述があります。
翌年の7月2日には、諸寺再興のために、勅使(天皇の使者)が来たということです。
兵庫県に影響を与えた過去の震災
兵庫県が、県のどこかに震度5弱以上を与えたと、推定される震災を、公表していました。
有史以来、兵庫県のどこかに震度5弱以上を与えたと推定される地震は次のとおりである。
県域の中では、南東部地域で震度5弱以上を経験する頻度が高くなっている。
このなかで、20世紀だけをとってみると、北但馬地震(死者425人、負傷者806人)、南海地震(死者50人、負傷者69人)、兵庫県南部地震(死者 6,402人、負傷者40,092人)の被害が大きい。
兵庫県地震被害想定(PDF) p4より
資料の中にある一覧表(第1表)を見てみると、播磨地方にあった大きな震災としては、貞観十(868)年8月3日の播磨国地震があります。
播磨国地震はマグニチュード7.0以上、震度6以上あったと推定されています。
阪神淡路大震災で亡くなった原因

阪神淡路大震災で亡くなった人の死亡原因は、「窒息・圧死」が大部分を占めています。
震災による死亡者の9割以上は、死亡時刻が当日6時までとなっており、ほとんどが即死状態だったとされています。
要するに、死因のほどんどは、震災の最初の強い揺れで、家屋の倒壊や、家具などが転倒したことによる、圧迫死だったということです。
※内閣府 防災情報のページ 教訓情報資料集を参考
姫路で大きな揺れに備える
震災に備える場合には、まずは、死なないこと、命を守ることを、考えなければいけません。
阪神淡路大震災を教訓にすると、大きな地震では、最初の一撃で被害にあわないようにすることが、重要なんだと思います。
住宅の2階に重いものを置かず、家全体を揺れにくくする。
落ちたり倒れたりする家具・インテリアをなるべくなくす。
そして、自宅の耐震化や家具の固定など、できるところから対策をしてみるのが、いいかもしれません。
『備えあれば患いなし』と言いますので、考えられる十分な防災対策をしながら、あとは明るく過ごすのが、ベストだと思います。
防災の日などをきっかけに、家族会議で話し合ってみてはいかがでしょうか。
姫路市 防災教育の推進
※参考文献『現代語訳 沿革考証 姫路名勝誌』
・山崎断層帯
・南海トラフ
・六甲・淡路島断層帯
・中央構造線断層帯
・上町断層帯
・その他の断層