世界遺産姫路城は、どのような構造・仕組みになっているのか、建築のポイントを簡単にまとめました。
姫路城は400年以上も前の木造建築で、当時の高い建築技術が、いたるところで見られます。
高さや広さ、柱の長さなど、大きさがわかる概要とあわせて、改修工事で見つかった、幻の窓を紹介します。
姫路城の構造(高さ・大きさ)

姫路城は、姫路市街の北側にある姫山と、その周辺の平地を利用して築かれた、平山城です。
1601年から8年の建築期間を経て、天守が完成しており、築年数は400年を超えます。
平山城とは
お城の分類のひとつで、平野の中にある、小高い山や丘などを利用して、築かれた城のこと。分類はその他に、山の上に築かれた山城、平地に築かれた平城などがある。
姫山の高さは45.6mあり、その上に天守台が築かれ、天守の建物が立っています。
平成の改修で、姫路城の保存修理工事を実施した、鹿島建設のサイトによると、大天守の延床面積は、2,409㎡の広さとなっています。
姫路城は何階建てなのか

姫路城大天守の構造は、5層6階、地下1階となっています。
外から見ると、屋根の数から5階建てに見えますが、城郭建築では、中の階段を「階」で表しますので、6階建てとなります。
石垣の内側は、地下の階層となっており、建物とあわせて、地上6階・地下1階の、7階構成になっています。
姫路城を支える柱の構造

姫路城大天守は、東西2本の大きな柱で支える構造となっており、柱は地階から5階の梁(はり)まで通っています。
東西に並んでいる、大きな柱の長さは、24.6mにもなります。(※パンフレットより)
姫路城を上から見た図

姫路城を上から見た図がこちらです。南東の大天守に、3つの小天守が配置されて、渡櫓(やぐら)でつながっています。
複数の天守で構成する、この形式を「連立式天守」といいます。
小高い山の上に立つ、高さとあわせて、姫路城がどの角度から見ても、美しく見えるポイントのひとつです。
改修工事で見つかった幻の窓

姫路城大天守6階部分は、すべてに窓が設けられる予定でしたが、建築中に変更されて、4隅の窓がふさがれました。
この部分は、平成の改修工事で確認されて、発表当時は「幻の窓」と呼ばれるなど、話題になりました。

こちらが、大天守6階の隅にあたる部分を、内側から見たところです。
文献や記録が残っておらず、ふさがれた理由は不明ですが、耐震性を高めるためではないかと、考えられています。
姫路城の仕組みを体感してみる

姫路城は、改修工事をかさねながら、建築当時の状態が、そのまま残っている、日本城郭のひとつです。
構造や仕組みをつかみながら、姫路城の中に入って、約400年前の建築技術を、体感してみてはいかがでしょうか。
海抜 91.9m
‐大天守高さ31.5m
‐‐天守台高さ14.8m
‐‐‐姫山の高さ45.6m
(※パンフレットより)