姫路で万博!? 昭和41年の大博覧会を調べてみた!モノレール手柄山駅⇔姫路駅も

姫路大博覧会

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1970年に開催された大阪万博の4年前に、兵庫県姫路市の手柄山中央公園で、姫路大博覧会が開催されました。

姫路大博覧会は3会場で開催され、姫路駅からメインの会場までモノレールが敷かれるなど、万博さながらの博覧会でした。

大阪万博は語り継がれる有名な博覧会ですが、姫路の博覧会は、いつだったのかも知る人が少なくなってきているように思います。

写真など資料が少ないので、手柄山交流ステーションに行って、姫路大博覧会と姫路モノレールについて調べてみました。

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姫路大博覧会とは

姫路博

姫路大博覧会は、兵庫県姫路市で、昭和41年(1966)年4月3日から6月5日まで、約2か月にわたって開催された博覧会です。

テーマは「明日の日本の夢つくる姫路博」でした。

姫路城復元工事の記念、東京オリンピックの協賛事業として、昭和39(1964)年の秋開催で、一旦決まっていましたが、同年に入る頃から起こった不況により、延期になりました。

その後、昭和45(1970)年の大阪万博開催が決まったことから、博覧会の開催によって播磨一円の不況ムードを一掃し、景気を立て直そうと、昭和41(1966)年春開催で実施が決まりました。

姫路大博覧会の会場

博覧会開催当時の諸施設

姫路大博覧会は、中央会場(手柄山中央公園)、城南会場(大手前公園)、名古山会場(名古山霊苑)の3会場で開催されています。

写真を見てみると、手柄山の中央会場では、山を削って大胆に開発されたのがわかります。

姫路博中央会場

中央会場(手柄山中央公園)

中央会場では、シンボルとなる回転展望台をはじめ、テーマごとに展示館や遊具が設置されるなど、会場内ではさまざまな催しが行われました。

また、姫路大博覧会の開催に合わせるかたちで、姫路駅から手柄山の会場まで、モノレールが敷かれています。

姫路博城南会場

城南会場(大手前公園)

姫路城の南側にある、大手前公園では、防衛や災害派遣など、自衛隊の活躍を紹介する防衛館が設置されました。

屋外では航空機、機雷、魚雷、戦車などが展示されました。

姫路博名古山会場

名古山会場(名古山霊苑)

姫路駅から北西に位置する、名古山霊苑では、仏舎利塔を中心とする、名古山霊苑一帯を会場として、宗教美術館、回天館が配置されました。

姫路大博覧会パビリオンの写真

姫路大博覧会のパビリオン

子供の国館 | 電波館 | 宇宙館
電力館 | 観光めぐり館 | 演芸館

姫路大博覧会のパビリオン

国際館 | 古銭・たばこ館 | 繊維館
生活科学館 | 播磨館 | 交通科学館

姫路大博覧会のパビリオン

姫路館 | 海底探検館 | 近代工業館
安全館 | 農林水産館 | 自動車館

姫路モノレールの開通と延伸計画

姫路モノレール 失敗
実際の姫路モノレール車両

姫路モノレールは、姫路駅から姫路大博覧会の中央会場(手柄山中央公園)へのアクセスとして、全国の自治体に先駆けて導入されました。

姫路モノレールの開通は、未来の都市交通を展望する、新しい交通手段としても注目されます。

しかし、開通については、建設許可や交渉の難航により、開催に間に合わず、途中の5月17日正午から営業運転を開始しました。

姫路モノレール 延伸計画
姫路モノレール計画図

姫路モノレールは、南は飾磨・広畑の工業地帯へ、北は姫路城付近を通って、野里の住宅地帯、書写山、さらには豊岡、舞鶴へと延伸する構想がありました。

当時は、姫路まで新幹線の敷設が決まっていたので、姫路に新幹線の駅ができると、山陰に住む人達は姫路から乗車するだろうという、思惑があったそうです。

手柄山 モノレール

姫路大博覧会では、次世代交通のモノレールや高速道路、港湾整備など、大きな街づくりで発展した姫路の姿が描かれていました。

姫路モノレールは失敗に終わり廃線

姫路モノレール 姫路駅・大将軍駅
当時の姫路駅前周辺地図

姫路モノレールは、姫路大博覧会中央会場への輸送手段として運行を開始しましたが、昭和49年4月11日に休止、昭和54年1月26日に廃止となります。

東京モノレールに次いで、日本で2番目の本格的モノレールは、開業から8年ほどの運行期間でした。

レールや橋脚は、時代とともに解体されており、現在では姫路駅周辺や船場川沿いなど、一部の区間で当時の構造物が残るのみとなっています。

姫路モノレール 模型
実際の姫路モノレール車内

姫路大博覧会中央会場にあった、姫路モノレールの手柄山駅は、現在「手柄山交流ステーション」として残っています。

姫路モノレールの車両と、駅プラットホームが、当時のまま展示されており、車内にも入れるようになっています。

最近では姫路モノレールが、土木学会選奨土木遺産に認定されるなど、遺構として注目を集めています。

姫路で万博!? 関西万博の提案も

手柄山交流ステーション
回転展望台

2025年に開催される、国際博覧会(大阪・関西万博)について、兵庫県知事から万博担当相に、会談のなかで、次のような提案がありました。

井戸知事は神戸市、姫路市、淡路市にサテライト会場を設ける案を提案。井上担当相は「関西全体を盛り上げるのには大事なことだ」と語った。

2020年10月16日(日本経済新聞)より

この提案、実現するといいですね。

姫路市では、姫路大博覧会中央会場だった、手柄山中央公園について、再整備計画を進めています。

手柄山を会場として、再び大きなイベントができたら、姫路が盛り上がると思います。

手柄山交流ステーションに展示室

姫路モノレール
手柄山交流ステーション案内板

兵庫県知事の提案が、実現するといいですね。

関西万博姫路サテライト会場ができて、子供達がワクワクするような、明るい未来の姿が、見られるといいなと思います。

何にしろ、手柄山再整備事業が完了した記念には、何か大きなイベントを開催してほしいところです。

手柄山交流ステーションでは、姫路大博覧会の模型や、姫路モノレールの展示を、無料で観覧できます。(※駐車場有料)

手柄山では定期的にイベントが開催されますので、姫路大博覧会の展示を見ながら、手柄山を散策してみてはいかがでしょうか。

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八名一平