姫路城の近くにある、姫路市立動物園については、以前から移転や閉園(閉館)など、なくなる議論があります。
長く市民に親しまれてきたこともあり、移転や閉園ではなく、現状維持を希望する意見も多く、現在では、議論が先延ばしになっています。
そんな中で、姫路動物園を「乗馬クラブ・ホースパーク」に置き換えるという、移転と存続を兼ねるアイデアを考えたので、まとめてみました。
※このアイデアは、姫路市がSNSで意見を募集するプロジェクトに、投稿したものです。
姫路市立動物園を閉園・移転する議論
姫路市立動物園は、昭和26年12月1日に開園した、姫路城三の丸広場に隣接する、公営の動物園です。
公営ならではの安価な料金設定で、市民の身近なレクリエーションの場として親しまれています。
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開園後70年近くが経過したこともあり、施設の老朽化が進んでいる動物園においては、存続について様々な議論があります。
今後の動物園のあり方については、令和2年を目途に、移転・縮小・廃止・現状維持など、再度検討することが決まっています。
参考資料:姫路市議事録(平成27年6月18日p3 、平成28年9月28日p7末 、平成29年6月26日p6 )
乗馬クラブへの置き換えが良いと思う理由
様々な意見があるなかで、動物園を他の場所に移転、または廃止し、「乗馬クラブ・ホースパーク」に置き換えるという、新しいアイデアを考えたので、その理由をまとめてみます。
ホースパークで動物とふれあえる
現状維持派の意見のなかには、引き続き身近に動物を見て、ふれあう場所がほしいという要望が、あるのではないでしょうか。
それは、乗馬クラブと同時にホースパークを設置することでクリアできます。馬に乗ったり、飼育したり、今まで以上に動物とふれあうことができます。
さらに、『ホースセラピー 癒やしの乗馬』によると、馬とのふれあいは乗馬治療などと言われ、馬と接したり、飼育したりすることで、癒しの効果があり、障がいのある人の症状を和らげることもあるそうです。
また動物園は、イベントなどを通じて、教育の現場としても意義があると思いますが、現状の年間行事については、今の動物から馬に変更しても、代替可能なものが多く、開催を維持することができます。
観光客に乗馬体験
姫路城には、そもそも馬場があったはずで、お城と馬は相性が良いと思います。
そんな中で、全国の城下町の中には、馬で観光客をもてなす取り組みを、実施している都市があります。
>とやま侍体験 甲冑×乗馬×富山城(富山市観光サイト)
>お城に馬がやってきた!福岡城サムライライディング オープン(福岡市)
富山市では、富山城を背景として甲冑姿で写真を撮ったり、乗馬の体験をしたりするサービスを始めています。同様の体験サービスは福岡市でも行われています。
姫路城においても、今の動物園にはない、馬の体験サービスができると、新たなスポットとして注目され、観光客の増加につながると思います。
スポーツ(馬術)の振興になる
乗馬は世界共通のアクティビティであり、オリンピック種目のスポーツです。全国の高校・大学には馬術部を設置するところもあります。
乗馬クラブを設置すると、姫路市においても、乗馬をスポーツ振興政策の中に取り入れることができます。周辺校に馬術部を開設し、乗馬クラブで定期的に大会を開催することもできます。
さらには、全国大会や国際大会ができるようになると、姫路城の知名度が、より一層高まることが期待できます。
また乗馬は、シニアから子供まで楽しめるスポーツです。姫路に乗馬文化が生まれると、地域の振興にもつながります。
姫路城を見ながら乗馬体験!立地が最高!
敷地の大きさについて、姫路市立動物園周辺と、「ニッケ乗馬クラブ・クレイン加古川」とを比較してみました。
動物園の敷地と、利用可能な周辺の敷地は、乗馬クラブとホースパークを設置しても、十分な大きさがあるといえます。
乗馬クラブを設置するにあたり、背景の姫路城と調和するクラブハウスをつくれば、お城を見ながら乗馬ができる、世界にも他にない乗馬クラブが姫路に誕生します。
乗馬は世界中の富裕層にファンがいるので、姫路城下の乗馬クラブは、姫路城の知名度を上げ、ブランドを高めてくれるに違いありません。
乗馬クラブとしてビジネスが成り立つ
動物園の会計については、調べかねましたが、寄付や広告を募っているのを見ていると、料金収入から維持費を引いた収支は、赤字なんだと推測します。
全く利用しない人から見ると、税金の無駄遣いという意見も出るでしょう。
しかし、乗馬クラブに置き換えると、それ自体がビジネスとして成立することが期待できます。さらには、写真撮影や乗馬体験など、観光客へのサービスで収入を増やすこともできます。
将来、民間指定管理に移行し、姫路市の赤字管理から手放すことができると、浮いた財源を市民の身近なサービスに充てることもできます。
動物研究のノウハウが活用できる
動物園から乗馬クラブへの移行は、取り扱う動物が馬に変わるだけなので、動物園で培った飼育・調査・研究のノウハウが役立ちます。
雇用については、維持できるだけではなく、観光客へのサービスや、乗馬指導などで、新たな雇用を生み出すことが期待できます。
姫路城主酒井家末裔の酒井忠輝さん
【追記】ちなみに、姫路城を治めた、旧姫路藩主酒井家の末裔は、馬術の選手です。
オーストラリアで騎手・競技馬の育成、馬匹の販売をされています。
乗馬クラブの設置をきっかけに、再び姫路城とご縁ができれば、なんて思ったりもします。
姫路城の馬場を乗馬クラブで再現
乗馬クラブ・ホースパーク設置のアイデアは、いかがだったでしょうか。
動物園の今後については、様々な意見があると思いますが、解決するひとつのアイデアとして、考えてみました。
そもそも、姫路城には馬場があったはずなので、乗馬クラブを設置するアイデアは、馬場を現代版にアレンジしたとも言えます。
動物園を廃止して、昔の姫路城のように整備するという案もあるようですが、過去の状態に戻すより、未来の姫路市民が最大のメリットを享受できるような、前向きなアイデアが必要なんだと思います。
例えば、周辺校の生徒が馬術部で活躍して、オリンピックで金メダルを獲る、世界の乗馬ファンが姫路に押し寄せる、なんて想像したら、わくわくしますね。
スポーツ、観光、市民のレクリエーションを活性化する、素敵な乗馬クラブができて、地域が明るくなるといいなと思います。
※記事中の地図は、© OpenStreetMap contributorsより作成
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