姫路駅前の中心的な商業施設に、姫路に本社を置く地方百貨店「山陽百貨店」があります。
山陽百貨店が、山陽電車の子会社であるのは、店名からも想像できますが、他にはどのような企業と資本関係にあるのでしょうか。
山陽百貨店と山陽電車、神姫バスの資本関係と、役員の決定権を持つ大株主について、有価証券報告書から調べてみました。
【更新21’03】山陽百貨店は、山陽電車によるTOB株式公開買い付けで、上場廃止になりました。
山陽百貨店(姫路市)の大株主と資本関係
山陽百貨店は山陽電車の子会社ですが、その他周辺の資本関係を調べてみました。
有価証券報告書から調べてみると、山陽電車と神姫バスで、山陽百貨店の発行済株式74.99%を保有しています。
したがって、役員11人のうち、代表取締役が岡山の天満屋出身で、5人が山陽電車出身、2人が神姫バス出身となっています。
山陽百貨店の会社概要
【会社概要】
会社名 | 株式会社山陽百貨店 |
本社 | 姫路市南町1番地 |
設立 | 1952年2月(翌年7月開店) |
資本金 | 4億500万円 |
年商 | 191億2900万円(平成30年2月期) |
従業員 | 436名(うちパート社員185名) |
事業内容 | 百貨店業 |
市場情報 | 東証JQ 1970年4月上場 |
単店舗で200億近い売り上げがあるのは、以外に大きい印象です。
山陽百貨店の歴史と沿革
設立からの沿革、店舗の拡張状況
昭和27年2月 | 百貨店を目的として会社設立 |
昭和28年7月 | 営業開始 |
昭和29年11月 | 2期工事竣工 山陽電車乗り入れ |
昭和31年9月 | 3期増築工事竣工 神姫バス乗り入れ |
昭和37年6月 | 4期増築工事竣工 |
昭和45年4月 | 株式を店頭登録 |
昭和47年11月 | 5期増築工事竣工 現在の本館が完成 |
昭和63年11月 | 6期クロスエスカレーター新設工事竣工 |
平成3年9月 | 7期工事竣工 売り場面積が倍増 姫路駅西開発ビル取得、合同ビル賃貸 |
平成16年12月 | ジャスダックに株式を上場 |
山陽百貨店は、戦後の高度経済成長とともに増築・拡大し、平成3年に姫路駅西側の再開発にともない、売場面積を倍増させて、現在に至っています。
平成7年に過去最高の345憶円の売上高を記録するも、その後は神戸や大阪に顧客が流出するなど、苦戦を強いられている状況です。
過去5年の推移を見てみると、平成26年が198億ほどですので、年々微減しています。
TOBによる完全子会社化で上場廃止
【追記21’1/14】山陽電車が山陽百貨店を、株式公開買い付けで完全子会社化すると発表しました。
買い付け期間:2021年1月14日~3月1日まで
これにより、山陽百貨店は上場廃止になる見込みです。神姫バスもTOBに応じると発表しています。
◆株式会社山陽百貨店株式に対する公開買付けの開始に関するお知らせ(山陽電車リリース)2021年1月13日より
地方百貨店を取り巻く環境
近年では、競合するヤマトヤシキ姫路が閉店するなど、地方の百貨店は厳しい経営環境にあります。
姫路駅前では、ピオレ姫路に続き、テラッソ姫路がオープンするなど、山陽百貨店を取り巻く環境は大きく変化しています。
山陽百貨店が、どのような戦略を描いていくのか、姫路駅前の活性化に期待したいと思います。
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