姫路市内で、大阪ガスが新たに発電所を建設する計画がすすんでいます。
大阪ガスの天然ガス発電所について、計画はどのようなものか、場所はどこになるのかなど、調べてみました。
また、大阪ガスでは、姫路市広畑にバイオマス発電所を建設する計画もあるので、あわせてまとめてみました。
もくじ
姫路の天然ガス発電所

発電所とは、その名の通り電気を発生させる大規模な施設です。
発電機を設置して、水力、火力、原子力などを利用して発電機を回し、電力を起こします。
姫路市内には、すでに関西電力の天然ガス火力発電所があり、第一発電所と第二発電所それぞれ、150万kW、411万kWの発電規模があります。(関西電力HPより)
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大阪ガスの天然ガス発電所が姫路にできる

大阪ガスが新たに設置する発電所は、天然ガス(LNG)の火力を利用して発電します。
計画では約62万kWの発電機3機を設置し、合計約186万kWの電気を発電する予定になっています。
大阪ガスの発電所は、関西電力の姫路第二発電所と同様に、世界最高水準の高効率で発電する「ガスタービンコンバインドサイクル方式」の発電機が採用されます。
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大阪ガス発電所の場所は出光興産跡

事業計画書によると、新しい発電所ができるのは「飾磨区妻鹿日田町1-1」となっています。
出光興産の事業所があったところです。
現在のパナソニック工場の入口付近に、隣り合わせたところに建設される計画です。
姫路天然ガス発電
新しい発電所は、大阪ガスと出光興産が共同出資する「姫路天然ガス発電株式会社」によって進められています。
【会社概要】 ※公式HPより
会社名 | 姫路天然ガス発電株式会社 |
本店所在地 | 大阪府大阪市 |
設立日 | 2016年4月1日 |
設立時資本 | 4億円(資本金2億円、資本準備金2億円) |
出資比率 | 大阪ガス66.66%、出光興産33.34% |
計画と建設工事のスケジュール

新しい発電所の建設工事は、2020年度末の着工を予定しています。
1号機と2号機が先行して、それぞれ2026年1月と5月に運転開始を予定しています。
その後、3号機は2029年10月に運転開始を予定しています。
広畑バイオマス発電株式会社もできる

大阪ガスでは、姫路市内にバイオマス発電所を建設する計画もあります。
>兵庫県姫路市におけるバイオマス発電所の事業化決定について(大阪ガス)2019年3月7日
子会社が出資する「広畑バイオマス発電株式会社」を通じて、広畑にバイオマス発電所を建設します。
発電所では輸入木質チップに加えて、国内の木質チップを混合し、燃料として発電する予定で、発電規模は7.5万kWを想定しています。
こちらの発電所は、2023年8月に運転を開始する予定です。
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大阪ガスの発電所計画まとめ

関西電力の発電所に加えて、大阪ガスの発電所が新設されることで、姫路市は関西地域の電気供給において、重要な拠点になってきます。
今回の新設によって、関連企業からの仕事が増えたり、雇用の拡大があるなど、地域の経済に良い影響が期待できます。
経済活動だけではなく、企業からの教育、スポーツ、文化行事などへの協賛を通じて、地域が元気になるといいなと思います。
姫路天然ガス発電株式会社 公式HP
※ 本記事は、姫路天然ガス発電株式会社の公開資料「(仮称)姫路天然ガス発電所新設計画 環境影響評価準備書のあらまし」を参照して作成しました。
大阪ガスと出光興産の出資比率が変更
【追記】事業計画に大幅な変更がありましたので追記します。
◆兵庫県姫路市における発電事業に関する投資意思決定について(大阪ガスIRニュース)2019年9月26日http://bit.ly/2n6Bhza

【主な変更点】
姫路天然ガス発電株式会社への出資比率
大阪ガス66.66%、出光興産33.34% → 大阪ガス100%
発電事業計画
約180万kW(3機)→ 約120万kW(2機)
要するに、出光興産が撤退したことにより、単独出資に切り替え、事業計画を縮小したということになります。
運転開始時期については概ね予定どおりになっています。
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