このシリーズでは、姫路で創業して大企業に成長していく過程で、本社を姫路から市外に移していった企業を紹介しています。
今回は、イオングループで食品スーパー大手、マックスバリュ西日本 (昔の名前:ウェルマート)を紹介したいと思います。
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マックスバリュ西日本の会社概要
【会社概要】※ マックスバリュ西日本HP、有価証券報告書より
会社名 | マックスバリュ西日本株式会社 |
設立 | 1982年3月5日 |
本社 | 広島県広島市南区段原南1丁目3-52 |
事業内容 | 食料品及び日用雑貨用品の小売販売 |
売上高 | 連結 5,340億円(2020年2月) 単独 2,553億円(2020年2月) |
マックスバリュ西日本は、イオングループが展開する食品スーパーマーケットです。
親会社であるイオン株式会社の持株比率は、直接間接あわせて議決権ベースで、74.16%になります。
2019年3月に㈱マルナカ、㈱山陽マルナカを株式交換により完全子会社したので、連結売上高が大きく拡大しています。
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ウェルマート設立の経緯
ウエルマート相生店 Wikipedia リンクによる
このシリーズでは前回、イオンの前身であるジャスコと、合併によりジャスコになった、フタギを紹介しました。
1970年、イオンの前身「ジャスコ株式会社」が、岡田屋・フタギ・シロの提携をもとに誕生します。
姫路市を拠点にしていたフタギは、合併とともに本社を大阪へ移すかたちで、総合スーパージャスコとして、全国に展開していきます。
そんななか、当時、ジャスコの常務を務めていた、柴田虎雄氏が中心となり、ジャスコの子会社として、食品スーパーマーケット事業を立ち上げることになります。
ジャスコ創業者の一人柴田虎雄(71)=姫路市山吹1丁目=も43年卒。5年間を柔道部で過ごした。
姫路商業高等学校 同窓会「琴陵会」HPより
常務を経てウェルマート会長として店頭登録を果たし、播磨を中心に82店舗を展開し基礎を築いた。
フタギ出身の柴田氏は、子会社の拠点を姫路に置き、食品スーパーマーケット事業を拡大していきます。
こうして姫路に本社を置く「ウェルマート」が誕生することになりました。
ウェルマート1号店は、1982年12月に開店。ジャスコ誕生から、12年後の出来事でした。
店舗数を拡大してマックスバリュに
ウェルマート1号店は、姫路市田寺に開店します。その後、出店とM&Aを進めながら、事業の規模を拡大していきます。
1984年5月 高砂市に10号店として北浜店を開店
1985年11月 明石市に20号店として大久保北店を開店
1989年1月 赤穂郡上郡町に40号店として上郡店を開店
1997年1月 揖保郡太子町に80号店として太子南店を開店
事業開始から「ウェルマート」の名前で店舗を展開していましたが、1995年12月、姫路市内に開店する東山店から「マックスバリュ」のブランドに変更します。
そして、2000年5月に、店舗の名前だけでなく、会社の商号を「マックスバリュ西日本株式会社」に改新します。
ウェルマートの名前の店舗は、順次マックスバリュにリニューアルされ、相生店の改装を最後に、ウェルマートの名前はなくなります。
※マックスバリュ西日本企業沿革より抜粋
マルナカ・山陽マルナカとの経営統合
マックスバリュ西日本は、兵庫県から西へ、岡山・広島・四国方面に事業を展開するなかで、2012年5月、姫路市から広島市に、本店を移転します。
そして、2019年3月、マルナカ(本社:香川県高松市)、山陽マルナカ(本社:岡山県岡山市)を、株式交換により完全子会社にするかたちで経営統合します。
マックスバリュ西日本と姫路
普段、買い物をしているなかで、マックスバリュ西日本が、姫路発祥の企業だったということを気にする機会は、少ないかもしれません。
マックスバリュ西日本は、バレーボール「ヴィクトリーナ姫路」のスポンサーや、FMゲンキなど、身近なところでも、地域を支えてくれています。
広島県に本社を移転しても、兵庫県には、店舗の多くがありますので、地域とともに、あり続けてほしいと思います。
今後も姫路での、先進的な小売り店舗の開発や、新たな投資を期待したいと思います。
※記事中「ウエルマート」の「エ」は小文字に統一して表記しています。
※記事中の地図は、© OpenStreetMap contributorsより作成
イオン←ジャスコ←フタギ 姫路で生まれ巣立っていった大企業たち