関西電力姫路第二発電所のGTCCがスゴイ!三菱日立パワーシステムズ高砂が納入

関西電力第一発電所の煙突

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兵庫県姫路市には、関西電力の姫路第一発電所と、姫路第二発電所があります。

世界最高効率のガスタービン発電が設置されているというので、コンバインドサイクル発電(GTCC)とは、どんなものなのか、姫路発電所について調べてみました。

また、ガスタービンを納入した、三菱日立パワーシステムズ(MHPS)の高砂工場が、高効率ガスタービン発電の実証設備を稼働したので、あわせてまとめてみました。

関西電力の姫路第二発電所(コンバインドサイクル)

関西電力は、近畿2府4県および周辺エリアに電力を供給している電力会社です。

【会社概要】 ※関西電力HPより抜粋

会社名関西電力株式会社
本店大阪市北区中之島3丁目6番16号
設立1951年5月1日
事業内容電気事業、熱供給事業、電気通信事業、ガス供給事業 等
売上高2兆7,971億円(2019年3月期)
※連結ベース:3兆3,076億円
従業員数20,351名(2019年3月現在)

姫路市では第一発電所(飾磨区中島)と、第二発電所(飾磨区妻鹿)の2カ所で、LNG(天然ガス)火力発電所を運転しています。

姫路にある発電所の住所とアクセス

関西電力姫路発電所は、姫路市の海沿い、播磨臨海工業地域にあります。

JR姫路駅から南へ約6㎞に位置し、車に乗って約20分で行くことができます。

■ 姫路第一発電所
住所:姫路市飾磨区中島3058番1

■ 姫路第二発電所
住所:姫路市飾磨区妻鹿常盤町

姫路第二発電所の既設5、6号機は廃止に

※ マップの写真は関西電力姫路第二発電所の煙突

関西電力は、1955年に姫路第一発電所で1号機の運転を開始。その後、1963年に第二発電所で1号機の運転を開始しています。

現在では、第一発電所4ユニット、第二発電所8ユニットを有しており、第二発電所においては、関西電力の火力発電所で最大規模を誇ります。

■ 姫路第一発電所:最大出力151万(kw)
■ 姫路第二発電所:最大出力412万(kw)

【追記2021/2/17】第二発電所の既設5、6号機が廃止に

◆姫路第二発電所既設5、6号機の廃止について(関西電力プレスリリース)2021年2月16日より

1973年に営業運転を開始し、長きにわたって関西エリアの電力需要を支えてきた、姫路第二発電所既設5、6号機が廃止になりました。

コンバインドサイクル(GTCC)とは

ガスタービン

ガスタービン発電は、燃料を燃やした燃焼ガスで、タービンを回して電気を発生させる、火力発電です。

写真のような大きなタービンを回転させることで、エネルギーを得て発電します。

ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)とは、現在のところ、化石燃料を使用するなかで、最もクリーンで高効率な発電設備です。

Gas(ガス)液化天然ガスなど
Turbine(タービン)流体または蒸気エネルギーを翼に受け、その力で軸を回転させる装置
Combined(コンバインド)組み合わせた
Cycle(サイクル)循環、サイクル

GTCCは、ガスタービンの発電に加え、その排熱を利用し、蒸気タービンの発電を組み合わせることで、高い発電効率を実現します。

この方式は、従来の火力発電より発電効率が約20%向上すると言われており、姫路第二発電所においても、熱効率は従来の約42%から世界最高水準の約60%に達しています。

※ 三菱重工 GTCC発電プラントより

三菱日立パワーシステムズ(MHPS)高砂工場が納入

姫路第二発電所では、最新のコンバインドサイクル発電方式を採用した設備が導入されています。

◆関西電力(株)姫路第二発電所向け M501J形ガスタービン商用初号機 運転時間8,000時間を突破(MHPSリリース)2014年6月5日より

姫路第二発電所の1~6号機では、世界最高級の効率を誇る、最新鋭のガスタービン発電機を、三菱日立パワーシステムズが納入しています。

上空から見た三菱日立パワーシステムズ高砂工場
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)高砂工場

三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、三菱重工と日立製作所の火力発電事業が統合して、2014年にできた会社です。本社は横浜市にあります。

MHPSの工場は、日立、高砂、呉、長崎にあり、高砂工場では、発電用ガスタービン・蒸気タービンなどの製品を手掛けています。

コンバインドサイクル発電の効率

旧設備(通称:T地点)、新設備(通称:第二T地点)

三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、高砂工場で次世代高効率ガスタービンの実用化に向け、実証設備の稼働を開始しています。

◆【MHPS】次世代1,650℃級JAC形ガスタービンの長期実証へ向けて、高砂工場GTCC実証発電設備(第二T地点)が定格出力達成(PRTIMES)2020年4月2日より

実証設備は、世界で初めてガスタービンの入口温度を、1,650℃まで高めた設備で、出力56.6万kWで定格運転の状態を達成しています。

GTCCとしての発電効率は、世界最高クラスの64%に達します。

この実証設備は、地域の電力網に接続し、実際の発電所と同じ運用を行いながら、長期的な信頼性を検証することができる、他に類を見ない設備です。

高砂工場で実証を重ねた、信頼性の高い最新設備は、MHPSの主力機種として、世界中の電力供給に貢献しています。

姫路にある煙突の景色

関西電力姫路第一発電所の入口から見た煙突
姫路第一発電所の煙突

姫路海沿いの景色では、関西電力の大きな煙突2本が、際立って目立ちます。

なんと妻鹿にある煙突の正体は、世界最高水準の効率で電気を作る、発電所の煙突でした。

播磨地域は、電力を供給するだけでなく、その技術を世界に展開する、重要な拠点になりつつあります。

スマホの充電や家の照明も、ここで作った電気が流れていると思うと、煙突の景色が変わって見えるかもしれません。

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八名一平