日本製鉄グループの山陽特殊製鋼が、スウェーデンの鉄鋼会社オバコ(ovako steel)を買収しました。
オバコ(ovako steel)とはどんな会社なのか、山陽特殊鋼の子会社になった、スウェーデンの鉄鋼会社について、ざっくりと調べてみました。
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オバコ(ovako steel) スウェーデンの鉄鋼会社
スウェーデンは、ドイツ、ポーランドの北に位置し、バルト海を隔てた北欧の国です。
【スウェーデン王国 概要】※ Wikipediaより
首都 | ストックホルム |
人口 | 991万人(2013年) |
GDP | 4845億ドル(2008年) |
通貨 | スウェーデン・クローネ |
公用語 | スウェーデン語 |
スウェーデンで有名な企業といえば、家具のIKEA、自動車のボルボ、衣料品のH&M、通信機器のエリクソンなどがあります。
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オバコ(ovako steel)とは
【会社概要】※日本製鉄 第94期有価証券報告書より
名称 | Ovako AB |
所在地 | スウェーデン(本社) |
従業員数 | 約3000名(2018年度) |
売上高 | 1,016百万ユーロ(2018年度) 約1270億円 ※125円/ユーロ前提 |
事業内容 | 特殊鋼及び二次加工製品の製造販売 |
販売量 | 79万t(2018年度) |
オバコは、欧州向けを中心に特殊鋼製品を製造・販売する鉄鋼メーカーです。
軸受鋼などで世界トップレベルの高清浄度鋼製造技術と、同地域最大規模の生産能力を有しています。
日本製鉄が2018年6月1日にオバコ株式の全部を取得し、オバコを子会社としました。
グーグルマップでオバコの本社工場を見てみると、日本の鉄鋼会社が海岸沿いの工業地帯に立地していることが多いのに対して、オバコの場合は海から60㎞ほどの内陸に工場があり、森の中に工場と住宅地があるように見えます。
日本製鉄が山陽特殊製鋼を子会社に
山陽特殊製鋼の子会社に至るにあたっては、日本製鉄グループにおけるグローバル事業展開の中で、特殊鋼事業の再編・強化案件として進められました。
2018年6月 | 日本製鉄によるオバコ完全子会社化 |
2019年1月 | 公取クリアランス取得 |
2019年2月 | 山陽特殊製鋼臨時株主総会 |
2019年3月 | 日本製鉄による山陽特殊製鋼子会社化(15⇒51%) 山陽特殊製鋼によるオバコ完全子会社化 |
今回の再編で日本製鉄は、自動車分野をはじめとした、国内外の特殊鋼ニーズに応えるべく、技術・営業などで連携し、グループ全体として競争力を強化していきます。
日本製鉄では、今回の特殊鋼再編によるシナジー効果を、100億円/年と見積もっています。
※ 日本製鉄2019年度3Q決算説明資料p29、p56より
オバコは日本製鉄グループへ
姫路市に本社を置く山陽特殊製鋼が、ヨーロッパの大手鉄鋼会社を子会社にするということは、同市にとっても大きな出来事ではないでしょうか。
今後は、オバコの販路を通じて、姫路でつくった製品が、世界中で販売拡大されるといいですね。
日本製鉄グループにおいては、瀬戸内製鉄所広畑地区とあわせて、姫路への投資、雇用の拡大を期待したいと思います。